司法書士の佐藤幹彦です。
さて、令和5年12月4日、法務省から司法書士試験について次のような発表がありました。
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00572.html
【重要】司法書士試験筆記試験記述式問題の配点の変更について
令和5年12月4日
令和6年度以降に実施する司法書士試験筆記試験午後の部の記述式問題の配点を以下のとおり変更するので、あらかじめお知らせします。
なお、午後の部の試験時間(3時間)には変更はありません。【変更内容】
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00572.html
「2問で70点満点」から「2問で140点満点」に変更します。
ちなみに、司法書士試験の筆記試験は、次のような内容です。年に1回、7月第1日曜に1日だけで行われます。
令和6年度以降は、午後の部の記述式問題の配点が70点から140点へと変わります。
区分 | 内容 | 時間 |
午前の部 | 択一式35問(105点満点) 【憲法・民法・刑法・商法会社法】 | 2時間 |
午後の部 | 択一式35問(105点満点) 【民事訴訟法・民事執行法・民事保全法・供託法・司法書士法・不動産登記法・商業登記法】 記述式2問(70点満点→140点満点)【不動産登記法・商業登記法】 | 3時間 |
この試験に合格するためには、次の条件を満たさなければなりません。
基準点は、全受験者の成績により上下します(相対評価)。
①午前択一・午後択一のそれぞれの基準点(いわゆる「足切り」)を上回ること。
(基準点を上回った受験者だけが記述式の採点を受けられます。)
②記述式の採点を受けた中で基準点(足切り)を上回ること。
③②のうち午前択一・午後択一・記述式の合計得点が合格点に達していること。
そして、午前・午後の択一基準点と記述式基準点の合計よりも、合格点は高い数字になっています。
つまり、各基準点をクリアしただけでは合格には届かず、それなりの上乗せ点を獲得する必要があるのです。
(要するに、各基準点をクリアした中から総合得点順に上位600名+αが合格者とされるように合格点が設定される。)
これまで、70点満点の記述式の中ではあまり得点差が付かない(基準点+20点を獲得するのは至難の業)ため、「択一式で70問中60問以上正解して上乗せ点を稼ぎ、記述式はそこそこレベルで仕上げる」というのが得点戦略としてのひとつのセオリーでした。
今回、記述式の配点が70点満点から140点満点に変わることで、「ゲームバランス」が大きく変わるため、得点戦略の見直しが必要になってくると思われます。
既に合格した身としては再度この試験を受けることはないので、関係ないといえば関係ないのですが、こうした報に触れると心中穏やかではいられなくなるというのが正直なところです。いやはや。