司法書士の佐藤幹彦です。

これを書いているのは令和5年9月8日(金)の夜。
2日後の令和5年9月10日(日)は、「令和5年度簡裁訴訟代理等能力認定考査」が実施予定であり、わたしも受験予定です
豪雨をもたらす台風の動向、考査当日の気温上昇見込、考査会場のある仙台市中心部が定禅寺ストリートジャズフェスティバルで賑やかそうなこと…等々、心配は尽きませんが、まあ、できるだけ心穏やかにやるしかないですね。

というわけで、(試験勉強からの現実逃避として)認定考査と認定司法書士について少し書いてみます。

認定考査?認定司法書士?

司法書士業界にあまり馴染みのない方は、「認定考査?なにそれ?」と思う方も多いでしょう。

ものすごくざっくり表現すると、認定考査とは「司法書士が認定司法書士になるための試験」です

大手司法書士法人などの広告でしばしば目にする(耳にする)「認定司法書士」「法務大臣認定司法書士」というのは、「認定考査を通過して法務大臣の認定を受けた司法書士」のことであり、「他人の依頼を受けて簡易裁判所における民事訴訟等の手続の代理を業務として行うことのできる司法書士」という意味です。
「認定司法書士」は、通常の司法書士の業務に加え、簡易裁判所での訴訟代理等の業務を行うことができるようになります。認定を受けることで、簡易裁判所管轄の訴額140万円以下の事件に限り、依頼人の代わりに「訴訟代理人」として出廷できるようになるわけです。

そして、「認定司法書士」でない「司法書士」は、簡易裁判所における訴訟手続等の代理を業務として行うことができません(もし業として行った場合は、弁護士法違反となります。)。

なお、認定のつかない「司法書士」も、他人の依頼を受けて、訴状や準備書面等の裁判所に提出する書類を作成することは可能です。これは、歴史的には、司法書士の業務の「一丁目一番地」といえます(三権分立以前は、登記も裁判所の管轄でした。)。
もちろん、書類作成代理を行う限りにおいては、弁護士法にも違反しません。

「認定司法書士」でない「司法書士」も、れっきとした国家資格者ですので、御安心ください。
決してモグリではありません。

課題解決の手段として

元々、わたし自身、民事訴訟実務に積極的に関与したいとは考えていたわけではありません(争いごとに関わるのはストレスです。)。しかし、訴訟まで至るかどうかはさておき、それが必要とされる場面で行使できる資格があれば、法律上のトラブルを抱えた方に対して提供できる手段が広がることになります。

当地のような、法律専門職の地域資源が数少ない過疎地域においては、「認定司法書士」として存在すること自体に社会的意義があると捉え、わたし自身が認定司法書士となった後には、できるだけ業務に活かしていくつもりです。

というわけで、認定考査をがんばります。